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2011年08月 アーカイブ

"美容外科"という存在

1978年の正月、厚生省を訪ねたわたしは、大臣官房の友人から意外なことを聞かされます。


会長の意向で"美容整形"を標榜科にすることになり、4月の国会に提出するというのです。


医務局長は大反対ですが、会長に押しきられたといいます。


その時は、もちろん"美容整形"は医学会の分科会でさえなかったのです。


・・・いま思えば、形成外科学会に属さぬ"美容整形"の開業医グループとの強いつながりのあった会長の、当初からのもくろみだったに違いありません。


これを聞いて収まらないのは形成外科学会所属の開業医の先生方です。


その強い要請で、形成外科学会は「"美容整形"の標榜は時期尚早」という反対声明を出しました。


形成外科にとって"美容"と"再建"は車の両輪と言っていました。


その手前、全身脱毛 などを行う美容外科はまだ表に出したくないですが、その存在を否定はできません。


・・・しかしここで"美容整形"という名で独立させたら、他のグループに主導権をとられてしまいます。


全身脱毛ができるのは・・・

反対声明は苦肉の策でした。


与党の提案を阻止できれば、野党としては得点になります。


形成外科の反対声明に野党全部が乗った形になり、"美容整形"の標榜科はいったんは流れました。


ところがこの改正法案が廃案になりそうになると、形成外科学会の開業医グループは、学会に反対声明の撤回を迫りました。


"美容整形"は阻止したい。


しかし、いずれ"美容外科"の名で標榜科にはしたい。


・・・それによって主導権を奪い返せる、というわけです。


このような些細な法案は、与野党の取引の間でどっちにも転がるものです。


次の臨時国会で、学会が学術集会で多忙な時をねらい、法案は通過してしまいました。


しかし、なぜか標榜科名は"美容整形"ではなく"美容外科"でした。


じつは法案成立の直前、銀座で開業していた形成外科学会の黒幕的存在の某会員のところに、親しくしている自民党の政調会長から密かに電話が入ったといいます。


まあこのようないきさつがあって、現在の全身脱毛 などを行う美容外科は存在するのです。


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